バンドマンは自動車好が多いのか

2021年06月07日

先日のボヘミアンラプソディーの放送の中で「車のどこが良いんだい?」と言うシーンを見て思い出したことがある。
思い出したことと言うのは、巷で良く聞く「バンドマンは車好きが多い」と言う話しだ。

間違いなくカナル牧野の知っている中でも派手な車を乗り回していた奴は多い。

カナル牧野自身は、豪華でゆったりと乗れる車がいいと思っていたので、スポーツカーを自分で買おうと思ったことはない。
カナル牧野が若い頃特大ローン組んで、始めて新車で買ったのはセドリックだったし、その前に乗っていたのは中古で買ったアコードとローレルだった。

「バンドマンは金もないのに派手な車に乗っている」と言われていた時代にカナル牧野はギリギリかすっているが「金もないのに派手な車」と言うのは間違っていると思うのだ。

と言うのもバンドマンは年中無休で深夜業なのだから結構金を持っていたはずなのだ。
金がないと言うのは、多くのバンドマンは手にした金を浪費してしまう様なことをしていたからだ。

ここからが本題。

カナル牧野の知っている奴らのことを思い出してみよう。

写真はなかったり、あっても人メインだったりなので、広報写真を載せておきます。

サバンナ グリーン 木村之博 ベーシスト

まさにこの色の車だった。
何度か乗せてもらったが、異次元の車だったことをよく憶えている。
スポーツカーと言えば、ブォンブォンと大きな音を立てると言う印象しか持っていなかったのだが、この車は電気自動車みたいに静かなのに、周りの車を簡単に引き離してしまう速さにビックリさせられたものだ。

スーパーカーみたいにヘッドライトがパカッと開くのにも感動した覚えがある。

その反対に座っている位置が低過ぎて、町中の道では落ち着かなかったし、車内が狭いなーと言うのが悪印象として残ってしまっている。
乗り心地とスピードと音がそれぞれ反する異次元の車だったが、村ちゃんの話すのには「燃費の悪さも異次元」だったそうで、ガソリンメーターが下に動いて行くのが分かるほどだったんだそうだ。

117クーペ ライトブラウン 大森善治 ドラマー 

内装が豪華だったようなことを覚えている。

性能はそんなに良くなかったのか、善爺さんがアクセルを踏み込んでもそんなに加速はしなかったけど、車のスタイルは良く、外車のスポーツカーみたいで格好良かった。
いかにも洒落者が選ぶ車って感じで、善爺さんがシリコンクロス持って車を磨き倒していたのも今となっては良い思い出だ。

この車は後ろに乗せられた時は「狭いなー」と思ったのも本当の話しで、バンド全員でワイワイ言って乗れる車じゃなかった。
最後は荷物がそんなに積めないと言う悲しい理由でブルーバードバンに買い替えてしまっていたが、ドラマーはライブとかになったら、荷物が詰めないと言うのはかなり辛いに違いない。

善爺さん本人も買い替えは迷ったそうだが、古さを増して故障が出始めたのを機会に、117クーペとさようならしたそうだ。

BMW シルバー 田中智彦 ギタリスト 

若い頃にこんな外車を乗り回していた奴もいたと言うことが「バンドマンは派手な車に乗る」とかの話になるのだろうが、税金でヒーヒー言っていたのは事実だった様だ。

乗せてもらった印象はセドリックの方がエエやん、と言うもの。

でも優越感は大きかったらしく、流石バンドマンと言う雰囲気も漂っていた。
「金もないのにバンドマンは派手な車に乗る」と言うのはこんなことを言ってるのかも知れないし、比較的短時間で金を稼いでしまうバンドマンならではの性質で、将来のことを考えずに高い買い物をしてしまうことがバンドマンの特徴かも知れない。
だからなのか、カナル牧野の知っている範囲では、手堅く金を貯めてマンションとか、庭付き一戸建てを購入したバンド関係者が少ないのはこのせいかも知れない。

キャバレー全盛時代に実質労働時間2時間程度で、あとは楽屋で遊んでいても毎月30万前後、現在の金に換算すると大金を遊びたい盛りの若者が貰えるわけだから、泡銭と考えてしまうのも無理はない。

CRX ホワイト 山本 ベーシスト 

車検が来るまでに次々と車を買い替える男だったが、この車は気に入ったらしく、かなり長い間乗っていた様だ。

エンジンの音もブオンーバリバリバリではなく、どう表現していいのか思いつかない不思議な音がして、ボリュームは低く抑えられていた。
一度だけ乗せてもらったが、プラスティクの箱の中に座ってる様な冷たい感覚で、カナル牧野の趣味には全然合わなかった。

はっきり言って安っぽいなーという印象しか残っていないのだが、車好きな人にとっては安っぽさなど屁でもないと思える様な、運転して楽しい車なのだと説明してくれた。

でも当時のホンダの車はどれもデザインが洒落ていたなと思うわけで、この車もスポーツカーのわりには弾け過ぎな感じはしなかった。

中年になってから山ちゃんは「もう一度CRXの中古を見付けたら買いたい。程度の良い中古車を探してる。中古情報を見たら日本全国どこにでも見に行ってる」と言っていたが、もう手に入れたのかな。

シルビア ホワイト  西田  ベーシスト 

高性能な車だったらしく、皆で出かけた時には付いていくのが大変だった。
気を緩めるとあっと言う間に引き離されて、追い掛けるのが大変だった。

乗せてもらったことはないので、その感想は書けないが、見た目の迫力もあって、その存在感は頭抜けていた。

でもこの車はそんなに人気のある車種じゃなかった様で、その後も話題にも出てこない。
野外イベントで西田シルビアが小道具に使われて、車の横でオリビアを聞きながらのカバーのバックを務めたことで、西田シルビアがオリビアと言われる様になっていたのも思い出で残っている。

車をそんなに大切に扱っていなかったのか、いつみても泥だらけにしていた。

アルシオーネ  シルバー  ハリー岡本  アルトサックス

これも高性能スポーツカーだったが、見た時に思ったのは「これは車じゃなくて宇宙船だな」と言うことだった。
そこら中スイッチだらけで、こんなのどうやって扱うか覚えるのが大変だろうなとビックリさせられた。
乗せてもらったけど座っている高さが低いけれど、快適性はかなりの物だった。

車のデザインも独特で、他のどの車にも似ていないというのが、あの頃の印象で、宇宙船かタイムマシンでやって来た未来の車と言った様な感想を持ったものだ。
はじめて見た時は「凄い車買ったんだなー」とあっけに取られて見ていたことを思い出す。

村ちゃんのサバンナの時と同じく、ヘッドライトが点灯した時にパカッと開くのは、やっぱりすごいと思ったものだ。

車の性質なのか、停めておくと子供が集まってきて大人気だった話もハリーは笑いながらよく話していた。
子供が集まるので、傷を付けられたりミラーを力付くで剥ぎ取られたりしないかが心配の種だったそうだ。

フェアレディーZ ブラック 新稲一仁 ギター兼ベース

Zもいろいろある様で、ボンネットにでっかい吸気口が付いていたはずだが、ググッテも写真が出てこない。

車博士の村ちゃんに聞いたら、Zの中でも馬力の大きなエンジンを搭載した特別モデルで、限定台数しか無いはずだと言われたが、なんとか写真は手配できた。

暴走するためだけの車で、乗せてもらった感想「二度と乗りたくない! 乗り心地悪いし、音ウルサイし、ジェットコースターより恐い」し見た目の威圧感が強すぎる車だった。

知り合い中でも一番歳下だったから弾けた車を選んだのかなと思うが、一番歳下が最初に亡くなるとは人生分からないのもだ。

フェアレディーZ シルバー 山中芳雄 ベーシスト 

新稲のZと比べると、これが同じZなのかと思うほど乗り心地のいい車だった。

乗せてもらった時も、Zは恐い車と言う印象から尻込みしたけれど、乗ってみると音は静かだし乗り心地も酷くはない。
座席だってそこそこ狭いけど、早く降ろしてくれと思うほどでもないし、落ち着いて乗れるスポーツカーと言う印象だった。

山ちゃんの話しでは、最高速度は一段と高くなっているが、車体が重くなったので加速がモデルチェンジ前のZより弱くなっていると話していた。とは言うが山ちゃんがモデルチェンジ前のZに乗ったことがあるのでもなく、自動車評論家の解説の受け売りだった様だ。

でも乗り心地などははっきりと進化しているなと分かるのは、多分ベニヤに座って凸凹の急斜面を滑り降りたらあんな乗り心地だろうなと言う感じから、快適な椅子に座ってしっかりした車に乗っている感覚に進化してたんだから。

スカイライン レッド 木下昭好 トランぺッター 

見た目はスポーツスポーツしてたが、印象が薄かった。

スカイラインと言う名前も特別感のある車で、木下さんがこの車を買った時は周りがざわついた。
超人気車種だったはずなんだが、乗せてもらってもサニーかパルサーかなにかと変わりないと言う感想しか持てなかった。
しかもスピードが出だすと、なんだか不安になる様な、椅子の下が落ち着かない様な感覚がして、この車は好きになれないなと思ったが、それはスピードが出ている時だけで、普通に使っていれば可もなく不可もない優等生的な車だった。

でもやっぱり停めてあるのをみると「格好良いな」と思われていた様で、若い奴らが車を囲んで喝采していたのは記憶に甦る場面だ。

木下さんの息子も学生時代に、はじめて買ったのがスカイラインだったそうで、その後もスカイラインばかり乗り継いでいるそうだけど、音楽には無関心に育ってしまったそうです。

プレリュード ホワイト 仲川智彦 ベーシスト 

オシャレな感じの綺麗な車だったが、後ろ姿はスポーツカーらしい迫力も兼ね備えていた。

正面から見ると端正なイケメンと言った感じの車で、みんなから「うわー、いい車買ったなー」と言われていたが、トモさんのバンド以外の人の間でもプレリュードは多かったようで、近くでは停まっているのをよく見かけた。

車の名前もプレリュードと音楽絡みの名前だったし、音楽関係の人の間ではかなりの人気車種だった様だ。

何度か乗せてもらったが、音も静かで乗り心地も悪くなかった。
カナル牧野のセドと比べると若干狭いし豪華さはないけど、このクラスの車にしては良い感じだった。

もしプレリュードがセドクラスのサイズがある車だったら、カナル牧野も買っていたかも知れない。

RX-7 レッド 木村之博 ベーシスト 

一番目に書いた村ちゃんだが、マツダが好きだった様でマツダのスポーツカーをまた買っていたが、派手な車のわりには注目度が低かった様で、誰も気にもしなかった。

これも乗せてもらった感想は、サバンナと似ていて静かなのに早かった。
サバンナと違うのは、ハリウッド映画にいる悪役社長の豪華なオフィスを狭くした様な内装だったことだ。
サバンナの時の様な落ち着かない気持ちになることもなかったのは、やっぱり進化型の車だったからからかも知れない。

だけれど奥さんの「不便な車」と言うバッシングと、不景気になってきたことで燃費の悪さが無視できなくなってきたことと、歳を取ったのでスポーツカー卒業と言う理由で、村ちゃんがこの車を手放した後に買ったのはコンパクトカーだった。

全員高齢者の仲間入りをして、今もスポーツカーに乗ってる奴は誰もいなくなり、歳を取ったものだと淋しくなるものだ。

GTR ホワイト 友達の知り合い ベーシスト 

高性能スポーツカーで超有名車だけど、大きなエンジン音がするのでもなく、見た目のインパクトも低い。

この車を見たのは2回か3回だけで、友達の話しでは「早い車だと評判だけど、性能はZやセブンと横並び。車重が重いぶん返って不利らしい」と話していた。

フェラーリ レッド 田中弘嗣 ベーシスト 

こんな車まで買った奴がいるのは信じられないが、田中がこの車に乗って来た時は、大騒ぎだった。
「こんな車買うんだったら家かマンション買えるやん」と驚いたのだが、家やマンションも手の届かなくなっていた時代なので、超高級外車を買ったのだそうだ。
しかし田中がフェラーリに乗っていたのは、短い間だった。

2回目の定期点検で見積り百何十万と言われて、2年毎にに消耗部品は総入れ替えするのがセオリーで、そこをケチると数百万レべルの修理が必要になるとか言われて、即売却を決心したそうだが、買い取り価格が良かったので大損はしなかったのだそうだ。

みんなで試乗会とか言って乗せてもらったが、豪華な革製座席なのに、ギシギシカタカタコトコトと安っぽい音がしてたし、ウィインウィインというエンジンの音もそんなに良いのかなとしか思えなかった。

この車で田中が新稲Zに勝負を挑んでボロ負けしたことがあって、スパーカーなのに国産車に歯が立たなかったことで、田中は心が折れてしまっていたのも、短い期間で手放す理由のうちだったのかも知れない。

ベンツ ダークブルー 木下昭好 トランぺッター 

既出の木下さんだが、スカイラインから買い替えた時に、田中フェラーリほどじゃないが思い切った車を選んだものだ。

巷でベンツの維持費はボッタクリなどと言われているとおり、木下さんも「ここまで金のかかる車だとは思わなかった」と言っていた。
乗せてもらった感想は、信号待ちの時に隣りに並んだトラックの排ガスをもろに浴び続けて、窒息しそうだったと言うことしか思い出せない。

夢のオープンカーだったのに、急な雨とかでは苦労が絶えなかったそうで、いつの間にか屋根は閉めたままになってしまっていた。

高級外車のわりに珍しい車でもなかったので、注目度は低かった。

こうやって思い出してみると、やっぱりバンドマンの車好きと言うのは間違ってはいない様だ。

知っている奴以外もスポーツカーが多かったし、セドに乗っていたカナル牧野はかなり特別だったのかも知れない。

思い返してみて分かったのがもう一つ、なぜかトヨタに乗ってる奴がいないのと、高性能スポーツカーに乗ってる奴はベーシストに多いと言うことは、新しい法則の発見だ。

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